売れるキャッチコピーの作り方は?実際の手順とテクニックを詳しく解説!
テレビのCMやつり革広告などでよく見かけるキャッチコピーは、ユニークなものや企業イメージが伝わる魅力的なものばかりです。
そこで今回は、そんな魅力的なキャッチコピーを作りたいとお思いの方に向けて、売れるキャッチコピーの作り方の手順やテクニックについて解説します。
目次
1.キャッチコピーとは何か
たったワンフレーズで伝えたい内容を端的に表しつつ、センスや面白さ、ユニークさも併せ持っているのがキャッチコピーです。
注目を引くという意味のcatch(正確にはcatch attention)と、広告文という意味のcopyが合わさり、現代のキャッチコピーという和製英語が生まれました。
普段意識していないだけで、キャッチコピーは至るところで使用されているのが特徴です。
- 記事やメールマガジンのタイトル
- リスティング広告のタイトル
- バナー広告・ランディングページの訴求文
- 商品・サービス・ブランドのコンセプト
中でも親しみやすいキャッチコピーはイメージの定着に役立ちます。
例えば、以下のようなキャッチコピーを誰しもが聞いたことがあるはずです。
- セブンイレブン、いい気分(セブンイレブン)
- やめられない、 とまらない(かっぱえびせん)
- カラダにピース。(カルピス)
このように、キャッチコピーが親しみやすく、インパクトがあるほど、記憶への定着がしやすく、認知度向上へとつながります。
選ぶ言葉でイメージがガラッと変わるので、創意工夫をしながら目的にあったキャッチコピーを考えていきましょう。
1-1.キャッチコピーの役割や重要性
キャッチコピーは、商品・サービス、あるいはブランドのイメージを浸透させる役割があります。
同じ商品を出すなら、キャッチコピーにインパクトがある方が注目・興味を集め、売上に良い影響を与えるでしょう。
キャッチコピーを変えただけで、売上が変わったという事例も多くあるほどです。
また、自社商品・サービスの強みや魅力をキャッチコピー内に含めれば、他社との差別化を図ることにもつながります。
1-2.キャッチコピーにはどんな種類があるか
キャッチコピーにはいくつか種類があり、ここでは代表的な4種類についてご紹介します。
簡単に以下の表にまとめましたので見ていきましょう。
種類 | 概要 | 例 |
---|---|---|
キャッチフレーズ | 商品や企業、ブランドのイメージを伝えるために使用 コンセプトやブランディングに関与する | ・ファミリーマート 「あなたと、コンビに、ファミリーマート」 ・ニトリ 「お、ねだん以上」 |
ボディコピー | 商品・サービスの強みや魅力を伝える文章。 キャッチコピーの下部に位置し、ユーザーの購買動機を強くする | ・明治製菓 キャッチコピー:「男性のみなさん、世界中の女性にモテモテなのは男性ではありません、残念ながら」 ボディコピー:欲張りな男が海辺で不思議なビンを拾いました。それを開けてみると、妖精が飛び出し男に言いました。「私をビンの中から救い出してくれてありがとう。お礼に、3つの願いを叶えてあげましょう 」男は迷わず「3億ドルが欲しい!」と言いました。するとびっくり。そこには3億ドルの札束が。次に「カッコいいオープンカーが欲しい!」と言いました。すると、たちまちカッコいいオープンカーが現れました。 そして味をしめた男は最後に「世界中の女から愛されたい!」と言いました。すると・・・彼は、おいしそうなチョコレートになりました 。チョコレートは、ひとを幸せにする。チョコレートは、明治。 |
スローガン | 企業の役割・目的をもとに、何を大切にサービス提供しているのかをまとめたもの 企業・ブランドのマーケティングが目的 | ・ロッテ 「お口の恋人」 ・コスモ石油 「ココロも満タンに」 |
タグライン | 商品・サービスを通して企業・ブランドの認知度拡大を目指すフレーズ | ・マクドナルド 「I’m lovin’ it」 ・資生堂 「一瞬も一生も美しく」 |
どれもキャッチコピーという点では同じものとして扱えるため、使い方によって名称が異なる、という部分だけ覚えておけば問題ありません。
2.キャッチコピーの作り方・実際の手順
では、具体的にどのように面白いキャッチコピーを作っていけばいいのかについて解説します。
これから紹介する手順通りに進めると、基本的なキャッチコピーが完成するので、初めに作成してみた後に、そこからアイデアや独自性を組み合わせてみてください。
2-1.ターゲットの明確化
キャッチコピーを決める際、どのような方に響く言葉にするのかが重要になるので、ターゲットの明確化が必要です。
まずは、広告やブランディングを打ち出す目的を考える必要があります。
- 商品・サービスの購買意欲を高める
- 自社のブランドイメージの定着化
以上のように、目的に沿って使うキャッチコピーは異なってくるため、注意しましょう。
決まった目的に沿って、どのような人物が目にするのかを具体的にしていきます。
例えば、女性用の目の下に使うスキンケア商品であれば、
- 30代前半
- 女性
- 事務職
- 年収300?400万
- 独身
- デスクワークによる目の疲れからクマや目の下のたるみが気になっている
といったように、1人の具体的な人物像が浮かび上がるまで細かく設定した方が、キャッチコピーは出しやすくなるでしょう。
2-2.ターゲットの悩みと商品の強みをリストアップする
ターゲットが明確になったら、ターゲットが持つ悩みと商品の強みをリストアップする作業です。
キャッチコピーは、見た人の心に響くワードを使わなくては意味がないため、悩みに対して理解を深めなくてはいけません。
また、ターゲットの悩みに対して自社の商品・サービスが、どのような利益をもたらしてくれるのかもキャッチコピー内で伝えなくてはならないのです。
そのため、悩みと強みのリストアップは必ず行いましょう。
特に商品・サービスの強みの理解は、キャッチコピー以外にも活かすことができます。
できるだけ多く、なおかつさまざまな視点からターゲットの悩みと商品・サービスの強みを見つけて、リストアップしていきましょう。
2-3.悩み・強みに付随するワードを集めていく
商品・サービスの悩み・強みを洗い出したあとは、付随するワードを集めていく作業です。
先ほどあげた女性用の目の下に使うスキンケア商品を例にしてみましょう。
ターゲットの悩み | 商品・サービスの強み |
---|---|
・目の下のたるみ ・目尻のシワ ・目のクマ ・アンチエイジング ・疲れ目 ・アイケア | ・販売数1万個突破 ・◯◯賞受賞 ・楽天市場スキンケア部門◯位獲得 ・医師の推奨 ・美容成分たっぷり ・貼るだけ簡単 |
といったように、先ほどリストアップした悩みや強みから、ワードを抽出します。
多彩なキャッチコピーの組み合わせが作れるように、できるだけ多くのワードを集めていきましょう。
2-4.悩み・強みを組み合わせてキャッチコピーを作り出す
ここまでの工程が終われば、あとはワードを組み合わせる作業です。
ユーザーのニーズに合った形で、キャッチコピーをいくつか考案しましょう。
- 貼るだけで簡単!◯◯賞を受賞した今話題の目元専用マスク!
- デスクワークでできた目のクマを消したい方へ!
- 目元のたるみに美容成分たっぷりのアイケアマスク新登場
以上のように、組み合わせ次第で多彩なキャッチコピーが生まれます。
今までキャッチコピーを作った経験がない場合は、なかなかうまく組み合わせられない場合が多いです。
そのため、普段からより多くの広告をみて、興味が引かれるキャッチコピーを見つけてみましょう。
その際に、なぜこのキャッチコピーに引かれたのだろう、という分析も行うとヒントが得られ、自社広告やブランディングに活かせるようになるはずです。
3.キャッチコピー作成のテクニック7選
ここまでで基本的なキャッチコピーの作成手順についてご理解いただけたのではないでしょうか。
では次に、より売れるキャッチコピーを作成するためのテクニックについてご紹介します。
ぜひ、自社あるいは商品・サービスならではのキャッチコピーを作ってみてください。
3-1.ベネフィットを示す
キャッチコピーを作る際、ついついメリットをアピールしがちですが、心を動かすならベネフィットを示すべきです。
「メリットとベネフィットの違い」についていまいちピンとこない、という方のために、以下に例を記載します。
- メリット:ホームページが簡単に作成できるCMSです
- ベネフィット:ホームページ作成に充てる時間を短縮し、コア業務へのリソースが確保できるCMSです
要はベネフィットとは、商品・サービスを使うことで、その人にとってどのような利益がもたらされるか、を提示するのです。
ホームページ作成が簡単になるだけではメリットですが、簡単になるからこそ他業務へ充てる時間の確保は、その人にもたらされるベネフィットといえます。
このように、商品・サービスを使えばどのような未来になるのかをキャッチコピーで表しましょう。
3-2.不安をあおる
キャッチコピーに不安をあおる文言を含めるのも、覚えておくべきテクニックの1つです。
プロスペクト理論によると、人間は利益よりも損失を回避する方を選ぶ癖があります。
損失を回避できる方法があることを提示できれば、多くの方から注目を集められる、という手法です。
例えば、以下のようなキャッチコピーがあります。
- 実は間違っていた!面接室に入る際のマナー
- このまま続けるとヤバイ?老け顔になる生活習慣
- 残り100組限定!欲しいなら急いで!
このように、現状のままあるいはこの先にある損失やリスクを提示することで、焦りや不安を感じたユーザーがアクションを起こす流れができます。
ただし、ネガティブな感情を利用した記事や広告は、必ずコンテンツ内でそのネガティブな感情を解消できるように設計しましょう。
3-3.数字を入れて具体性を持たせる
商品・サービスの効果を訴えかける際は、数字を入れて具体性を持たせるのがベストです。
数字が具体的であるほど信頼性も増しますが、誇張せず正確な数値を用いる点にだけは注意しましょう。
- 通算販売数
- ランキング
- ◯◯賞受賞
- アンケートや調査結果
- 顧客満足度
- 口コミ評価
数字による権威性のアピールは、着眼点を変えるだけでいくらでも出てくるはずです。
そのため、自社の強みを探すという点でも、どのような数字を用いることができるのかを考えてみてください。
3-4.好奇心をあおる
前述したようにネガティブな感情に訴えかけるのも手法としてありますが、好奇心や興味を揺さぶる言葉を使うのも効果的です。
- 皆様のご期待にお応えして再販決定
- 今まで味わったことのない体験がここに!
- 実際に利用したお客様から”使ってよかった”をいただいた商品
特に常識を覆すような表現ができれば、見た人に独創性を感じさせ、好奇心をあおることができるでしょう。
ただし、事実とは異なる誇張や過度な表現は避けるように注意してください。
3-5.心理学を取り入れる
有名なキャッチコピーには、心理学を取り入れている場合も多いです。
ここではいくつかの心理学に基づいた効果について簡単にご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- バンドワゴン効果:多数派の選択を自身も選びやすくなる効果
- スノップ効果:希少さや限定のものに魅力を感じる効果
- ツァイガルニック効果:挫折や中断した物事の方が記憶に残る現象
- アンカリング効果:最初に見た数値・データを基準に考える認知バイアス
- カリギュラ効果:禁止した方が魅力や興味を感じる心理現象
3-6.常識にとらわれない
常識にとらわれない思い切ったワードを使うと、より鮮烈に記憶に残るのもテクニックとしてあります。
ここまで、基本的なキャッチコピーの作り方を紹介しましたが、これはあえて枠組みにはまらないやり方です。
商品・サービスの誇張や過度な表現はしない範囲で、着眼点やインパクトのあるワードを見つけてみましょう。
3-7.リズム感も大切
目で文章を読む際にもリズム感が存在する以上、キャッチコピーにおいてもそれは重要です。
日本語においてリズム感は、俳句や川柳で使われる5と7文字が基本とされています。
ただし、全て5文字・7文字にこだわる必要はなく、読みやすさがあるなら問題ありません。
インテルの「インテル、入ってる」や、味の素の「あしたのもと AJINOMOTO」でもリズム感がよく読みやすいはずです。
リズム感が悪い場合は大抵長文になっている傾向にあるので、読みにくくないかという直感的な点でも考えてみてください。
4.キャッチコピーを作ったあとのチェックポイント
キャッチコピーは作って終わりではなく、必ず以下のような項目をチェックしましょう。
- 伝えたいメッセージを瞬時に理解できるか
- オリジナリティがあるか
- ベネフィットは感じられるか
- 短くまとめられているか
- 悩み・強みを組み合わせられているか
特に制作陣は、メッセージに込められた想いを理解しているため、バイアスがかかってしまいがちです。
そのため、確認する際は時間をおく、あるいはキャッチコピー制作に携わってない人に確認してもらうといった方法でチェックするといいでしょう。
制作陣以外の人に見せることによって、新しい視点やワードを発見できる可能性もあります。
まずは、制作陣で基本的な要素を踏まえているかを確認し、自社あるいは商品・サービスの魅力が伝わるキャッチコピーを作り上げていきましょう。
5.キャッチコピー作成時の注意点
インパクトや驚き、興味・関心を求めるあまり、過剰・誇大な表現や虚偽のデータを使ってしまわないように注意しなくてはいけません。
過剰・誇大な表現はユーザーの不満や信頼を損ねてしまうだけでなく、景品表示法の不当表示に該当し、罰則を受けてしまう可能性があります。
特に薬機法に関わるジャンルを取り扱う場合、表現方法が制限されているため、よりシビアです。
また、不安をあおるワードもネガティブすぎると、逆効果になるケースもあるでしょう。
キャッチコピーは、必ず事実の範囲内でフレーズを考える点を意識してください。
6.売れないキャッチコピーの特徴
間違ったキャッチコピーを作成してしまわないよう、売れないキャッチコピーの特徴を理解しておくのも大切です。
大きく分けると、以下の3つの要点に注意すべきでしょう。
- ターゲットが定まっていない
- メッセージが伝わりにくい
- ありきたりなキャッチコピーになっている
ターゲットが定まっていない場合、誰に対してどのようなメッセージを伝えるべきかがブレてしまいます。
特に、ターゲットを広く設定してしまうのはよくやりがちなミスです。
「20代~30代のビジネスマン」ではなく、「32歳の管理職を任されるようになったビジネスマン」の方が伝えるべきメッセージは明確になります。
それ以外にも、キャッチコピー作成に慣れていないと、ありきたりなワードを使ってしまいがちです。
- 誰もが納得の◯◯!
- 使うと便利!
といったありきたりなワードではなく、
- 上司の機嫌が良くなること間違いなし!
- 腕が4本あるかのような便利さ!
のように、オリジナリティを詰め込んだキャッチーなワードを使うようにしましょう。
7.名作!キャッチコピー集
日常に浸透している商品・サービスや大手企業を見てみると、名作ともいえるキャッチコピーが溢れています。
ここでは、有名・名作のキャッチコピーをまとめましたので、ぜひ発想や言い回しの参考にしてみてください。
- 自然と健康を科学する(ツムラ)
- あったらいいなをカタチにする(小林製薬)
- 一瞬も一生も美しく(資生堂)
- 価値ある、おいしさ。(チョーヤ)
- 味ひとすじ 永谷園(永谷園)
- 自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして(花王)
- おいしさを笑顔に(キリン)
- 今日を愛するLION(ライオン)
- あなたとコンビに(ファミリーマート)
- マチの”ほっ”とステーション(ローソン)
- 昨日の自分に差をつける(河合塾)
- やっぱりイナバ、100人乗っても、大丈夫(イナバ物置)
- マズい!もう一杯!(キューサイの青汁)
- お正月を写そう(富士フィルム)
- NO MUSIC NO LIFE(タワーレコード)
8.まとめ
売れるキャッチコピーを作るためには、基本的な型を覚えつつ、それぞれ適切なテクニックを組み込むことが大切です。
上記をふまえ、本記事では基本的な部分からテクニカルな手法、有名・名作のキャッチコピーまでご紹介しました。
ぜひ、ここでご紹介した内容を参考に、ターゲットや多くのユーザーの心を動かすような、インパクトのあるキャッチコピーを作ってみてください。