サテライトサイトとは?有効性や事例を解説
本記事ではWeb集客やSEO対策の手段としても活用される「サテライトサイト」について、まずは基本から作成ポイントまでわかりやすく解説します。
サテライトサイトとは、メインサイトを助けるための補助的なホームページです。
うまく活用すればアクセスを増やしたり、整理した情報を閲覧者に適切に伝えやすくしたりできます。
事例を交えながら、その有効性を一緒に見ていきましょう。

目次
1.サテライトサイトとは?
サテライトサイトとは、メインとなるホームページ(コーポレートサイトや公式サイトなど)とは別に立ち上げる補助的なサイトのことです。
「サテライト(衛星)」という言葉が示すように、メインサイトを中心に、その周りで情報を補完したり、新しいユーザーにアプローチしたりする役割を担います。
一般的に企業のホームページは「会社紹介」や「サービス概要」など幅広い情報をまとめるため、特定のテーマを深掘りしたい場合や、特定の顧客層に向けた情報発信が難しくなります。
そこでサテライトサイトを立ち上げることで、ニーズに合わせた情報発信が可能になるのです。

1-1.サテライトサイトの主な活用目的
サテライトサイトは多くの場面で活用できます。代表的な目的は次の通りです。
- 特定サービスや商品に特化した訴求
例:建設業のメインサイト+「リフォーム専用サイト」 - 採用活動の強化
例:ホテルの公式サイト+「採用専用サイト」 - コンテンツマーケティングの展開
例:公式サイト+「お役立ち情報ブログ」
このように、ターゲットに応じた独立したサイトを設けることで、より的確に情報を届けることができます。
2.サテライトサイトを作成するメリットデメリット

2-1.メリット① 新たな顧客層の開拓
メインサイトは幅広い情報を網羅するため、ユーザーが必要な情報を見つけにくい場合があります。
サテライトサイトでテーマを絞れば、「知りたい人に、欲しい情報を直接届ける」ことが可能になります。
たとえば、メインサイトで建設業のコーポレートサイトを運用している場合、社名での検索対策のため自社や建設全般に関するサービス紹介をしています。
そこでサテライトサイトではさらにリフォーム工事に特化した情報を提供します。
こうすることで、これからリフォーム工事を考える一般家庭をターゲットとすることができます。
メインサイトで宿泊業やホテルのサイトを運営していた場合は、あくまで宿泊業という営業を目的としています。
ですがサテライトサイトで採用について特化した情報を掲載することで、求職者にアピールすることができます。

2-2.メリット② 新たな顧客層の開拓
複数の関連サイトを運営することで、検索エンジンに評価されるキーワードの幅が広がり、結果としてメインサイトへのアクセスアップが期待できます。
サテライトサイトからメインサイトへ適切にリンクを設置できれば、サテライトサイトを読んだ閲覧者をメインサイトへ送客することができ、アクセスアップに繋がります。
特に関連性の高いページ同士をリンクすれば、SEO上も効果的です。

3.サテライトサイトのデメリットと注意点

では、サテライトサイトを作成するデメリットはあるのでしょうか。
まず、サテライトサイトはもうひとつサイトを作ることに他なりません。
サイトを新しく作成する費用や人的コストが発生します。
またサテライトサイトといえどもコピーコンテンツではなく、あくまでユーザーにとって有益な情報を提供するオリジナルコンテンツを掲載したサイトでなければなりません。
次に、サテライトサイトも作成して終わりのわけではなく、維持・更新する手間や費用がかかる点です。
Googleから評価を受けるためには、通常のホームページに必要とされるように新たな情報を更新し続ける必要があります。
特にSEO目的で「内容が薄いコピーサイト」を作ると、逆にGoogleから評価を下げられるリスクもあります。
サテライトサイト単体でも価値のある情報を発信することが重要です。
デメリットの3つ目としては、複数のサイトを運営することによりサイトの管理が複雑になる点が挙げられます。
各サイトの管理画面へのログイン情報やコンテンツ管理など、サイトが増えるにつれて煩雑になっていきます。
当システムであれば、見たまま編集による人に依存しない編集作業が可能であることによる人的リソースの効率化、ダッシュボードによる複数サイト管理やコンテンツの一括管理などを活用して、デメリットを解消することも可能です。
※「複数サイト管理」はご契約内容によってご利用いただけます。

4.調査データからみるサテライトサイトの効果
では実際に、サテライトサイトはどのくらいの企業が所持しているのでしょうか。
昨年当社でホームページを所有している中小企業4,344社に対して行ったアンケート結果によると、20%の企業が2サイト以上保有していることがわかりました。

さらに、複数サイトを所持している企業は、1サイトのみの企業と比べて、
- メインサイトの月間PVが 3.1倍
- 問い合わせ件数が 4.2倍
であることがわかりました。
つまり、戦略的にサテライトサイトを運営することで、成果に直結する可能性が高いことがわかります。

5.サテライトサイトの活用事例
では具体的にどのようなサイトがサテライトサイトとなるのでしょうか。
ここでは3つの例をご紹介します。
5-1.サテライトサイト事例① 採用専用サイト
まずは、採用専用サイトです。
メインサイトは自社サイトとして新規顧客開拓を目的として、企業の基本情報などを掲載していますが、サテライトサイトは採用専用サイトとして求職者向け情報を掲載し、求職者獲得を目的として作成します。
デザインもそれぞれのターゲットに合わせてデザインすると、より効果的です。

5-2.サテライトサイト事例② 特定のサービス・商品に特化したサイト
次に、特定のサービス・商品に特化したサイトです。
建設業を事例としていますが、メインサイトでは企業情報を発信し、サテライトサイトでは内装リフォームに特化した情報を掲載しています。
ニーズが顕在化していて特定のキーワードですでに検索しているユーザーにアプローチすることができます。

5-3.サテライトサイト事例③ コラムやお役立ち情報発信サイト
3つ目は、コラムやお役立ち情報の発信サイトです。
自社サイトは「歯科」など特定のキーワードで検索するユーザーを想定していますが、これはすでにニーズが顕在化しているユーザーをターゲットとしています。
サテライトサイトは情報発信サイトとして、まだニーズが顕在化していない潜在顧客層むけに情報を発信することで、ニーズを掘り起こしています。

6.サテライトサイトの作成ポイント3つ

ではサテライトサイトを実際に作成する際、どのようなポイントがあるのでしょうか。
ここでは、以下の3つのポイントを紹介しています。
- メインサイトと関連性を持たせる
- 単体でも価値を持つコンテンツにする
- 自然な形でメインサイトへ誘導する
6-1.作成のポイント① メインサイトと関連性のあるサイトにする
まずポイントひとつめは、サテライトサイトはメインサイトと関連性のあるサイトにすることです。
サテライトサイトがあまりにもメインサイトと関連性のないテーマだと、メインサイトに遷移したとしても結局コンバージョン(ホームページが目的とする行動結果)に結びつくのは難しくなってきてしまいます。
サテライトサイトを関連性のあるテーマで立ち上げることで、メインサイトに誘導した際にコンバージョンに結びつきやすいユーザーを集客することができるのです。
サテライトサイトのテーマを作成する際には、テーマを絞る方法と、テーマを広げる方法を考えます。

たとえばテーマを絞るには、メインサイトは建設業のコーポレートサイトであった場合、サテライトサイトはリフォーム工事に関するサイトにする、などです。
メインサイトが税理士事務所であった場合、サテライトサイトは相続専門サイトにします。
このように、領域の中でもある専門の項目に特化して考えることが、テーマを絞る方法になります。
逆にテーマを広げる場合は、例えば英会話教室のサイトがメインサイトであれば、サテライトサイトは英語の学習方法や英単語解説など英語学習に関する情報を提供するサイトにします。
また、メインサイトがゴルフ専門店サイトであった場合は、サテライトサイトはスポーツ情報を提供するサイトとして作成したりします。
メインサイトに関連するテーマでありつつも、メインサイトでは取り上げないような別領域のテーマで作成します。

6-2.作成のポイント② サテライトサイト単体でも価値のあるサイトにする
サテライトサイトは単体でも価値のあるサイトにしましょう。
Googleはユーザーにとって価値のあるサイトを高く評価します。
メインサイトのコピーや、ただリンクを目的とした情報が薄く低品質なコンテンツしかないサイトは評価されづらく、ペナルティを受ける可能性すらあります。
ですので、メインサイトと同様、サテライトサイトも情報を充実させる必要があります。
薄い情報ではなく、ユーザーが「役に立つ」と感じる情報を発信し続けるようにしましょう。

6-3.作成のポイント③ メインサイトとのリンクは最適化する
メインサイトとのリンクは最適なものにしましょう。
関連性の高いページへのリンクを設置することで、ユーザーの回遊性が高まったり、アンカーテキストの文章を工夫したりすることで、ユーザーのクリックを促すこともできます。
また、サテライトサイトからメインサイトへいつでも遷移できるように共通部分にリンク設置することで、ユーザーが気になればいつでもメインサイトに移動できます。
ただし、リンクについては、以下のような不自然なリンクや自演リンクなどの設置はペナルティを受ける可能性もありますので、注意が必要です。
不自然なリンクや自演リンクなどの設置は注意!
場合によってはペナルティを受ける可能性も…
- メインサイトとサテライトサイト間で大量に相互リンクを設置する
- 背景色と同じ文字色でリンクを設置するなど、一見してわからないリンク(隠しリンク)

7.まとめ
サテライトサイトは「補助的なサイト」という枠を超え、メインサイトの成果を大きく後押しする存在です。
新しい顧客層の獲得、SEO強化、ブランド価値の向上といった効果が期待できる一方、戦略的な運用が求められます。
これからホームページ運営を始める方や成果を伸ばしたい方は、ぜひ一度、サテライトサイトを検討してみてはいかがでしょうか。