YMYLとは②~YMYLとSEO~

前回の記事では、YMYLの基礎知識について解説いたしました。

前記事:YMYLとは①~YMYL基礎知識~

今回はさらに、YMYLとSEOに関して、その関係性を解説いたします。
これらをご理解いただくことによって、この後にご説明する具体的な対策ポイントについても活用いただけることと思います。

1.これまでのGoogleアップデートとYMYLの関係

1-1.パンダアップデート・フレッシュネスアップデート

GoogleがYMYLに関する最初のアップデートをしたのは、2011年2月のパンダアップデートです。
コンテンツの品質に関わるアルゴリズムの変更で、以下のようなホームページがペナルティの対象となりました。

  • コピー&ペースト(コピペ)で作られたサイト
  • キーワードのみあるいは情報量の少ないサイト
  • 商品リンクのみのアフィリエイトサイトや誘導サイト

その後、2011年12月には、情報の鮮度によって評価が変わるフレッシュネスアップデートが行われました。

例えば、SEOの評価基準について調べた際に10年前の情報が出てきても、それらは今では通用しないものばかりです。
これでは正しい情報を伝えていることにはならないため、新しい情報を提供しているコンテンツを評価する、というアルゴリズムに変更されました。

1-2.ウェルクアップデート

2017年2月には、日本限定でウェルクアップデート(ウェルクアップデートとは通称のため、Googleが呼称しているわけではありません)が行われました。

これは、株式会社DeNAが運営するキュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」にて、信頼性の低い記事が検索上位に乱立していたことが発端です。

ウェルクでは、主に美容・健康・医療に関する情報を扱っており、根拠のないあるいは無断転載した記事があると指摘されました。
当然、ウェルク側にも問題があったわけですが、そもそも検索エンジンが低品質なコンテンツを上位表示させたことに対する非難もあったのです。

そのためGoogleでは、より現在のYMYLに近い、信頼性の高いオリジナルかつ高品質なコンテンツを上位表示させるアルゴリズムを実装したのです。

1-3.メディックアップデート

2018年1月には、医療・健康関連のコンテンツにてメディックアップデートがありました。
特に2019年3月のコアアップデートの前にメディックアップデートがあったため、検索順位の変動が目まぐるしく起こったようです。

以降、3~4ヶ月に1回の頻度でアップデートが行われており、よりYMYLのジャンルは専門性や信頼性、権威性が重要視されるようになりました。

2.YMYLとSEOの関係

2-1.E-E-A-Tが大きく影響するようになった

YMYLジャンルを取り扱う場合、高品質なコンテンツの提供といっても明確な基準が見えにくい部分があります。
そこでGoogleは、「E-E-A-T」(イーイーエーティーまたはダブルイーエーティー)と呼ばれる項目を満たすコンテンツが高品質だと、「検索品質評価ガイドライン」にて提示しました。

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

E-E-A-Tは上記の頭文字を取った略称で、経験のある専門的かつ権威性のある人物が発信する情報こそ信頼に足りうる、と考えるとわかりやすいでしょう。

例えば、犬の病気について発信する場合

  • 犬の病気に対して豊富な臨床実績がある
  • 獣医免許を持っている誰であるかを提示
  • 公的機関の情報・データを参照している
  • 最新の情報を提供している

といった部分を意識すると、E-E-A-Tに沿った高品質なコンテンツとみなされ、上位表示される可能性が高まるでしょう。
E-E-A-Tについては、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はあわせて読んでみてください。

参考:E-E-A-Tとは①~E-E-A-T基礎知識~

2-2.サイトはYMYLと非YMYLどちらかに絞る

Googleのウェブマスター・トレンド・アナリストであるジョン・ミューラー氏は、オフィスアワーで以下のような発言をしています。

YMYLコンテンツと非YMYLコンテンツを同じサイトで公開すると、Googleが誤認識してしまう可能性がある。

引用:Google Search Central|English Google SEO office-hours from April 9, 2021

イメージしやすいのは、アダルトサイトの中にアダルトではないコンテンツを含んだ場合の判定です。

Googleでは、アダルトサイトの中にアダルトではないコンテンツがあったとしても、認識ができません。
そのため、アダルトではないコンテンツもセーフサーチに引っかかってしまい、全てのコンテンツがアダルトだと認識されてしまうのです。

このような誤認識が、YMYLでも起こりうるとジョン・ミューラー氏は発言しています。

現状、非YMYLジャンルはYMYLジャンルよりも上位表示させやすいからこそ、誤認識されるのは避けるべきです。
そのため、YMYLコンテンツ・非YMYLコンテンツはそれぞれ分けてホームページを運営することが、SEO効果が高いといえるでしょう。

以上、今回はYMYLとSEOとの関係性について解説いたしました。
関係性をさらに理解いただくことで、具体的なポイントについて正しく対策いただけることと思います。

次記事では、具体的なYMYLについてのSEO対策ポイントと、よくある質問についても解説します。
実際にご自身のホームページに役立てられるポイントはないか、参考にしていただければ幸いです。

次記事:YMYLとは③~SEO対策ポイントとYMYLよくある質問~

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