ウェブで求める人材を獲得④~採用時に役立つアプローチ

前記事では当システムの「求人サイト自動連携機能」を使ったホームページの作り方やチェックすべきポイント、実際にご入社された転職者の方へのインタビューなどをご紹介しました。

前記事:ウェブで求める人材を獲得③~求人獲得に強いホームページとは

今回は、採用活動時に役立つアプローチ方法として、ホームページ作成にも使えるアプローチ方法やテクニックについてご紹介します。

1.採用ペルソナの作成

「ペルソナ」とはマーケティング手法のひとつで、具体的なユーザー像を設定し、その思考や行動を分析して施策を最適化する、その架空のユーザー像のことです。

具体的な人物像を作り上げることによって、その人がどんな価値観・行動特性・ビジョンをもっている人材なのかイメージでき、採用活動の施策実行にも役立てられます。

似た概念に「ターゲット」がありますが、ペルソナはターゲットよりもさらに一人の人物像にまで絞り込んで作成します。

ターゲット/ペルソナの違いターゲットペルソナ
設定方法絞り込む作りあげる
パーソナリティなしあり
人物像大まかな人物像1人の人物を想定
具体例・男性
・30代
・3年以上営業経験あり
・男性
・31歳
・独身
・都内在住
・食品会社で営業を8年経験
・年収500万円
・趣味はスポーツ観戦

引用:HirinGeek編集部「採用ペルソナとは?作り方や項目例を解説【テンプレート付き】

採用ペルソナを作成するメリットは下記のようなものがあります。

  • 社内において「求める人物像」の共通認識ができる
  • ミスマッチを防止して自社に合う人材が採用できる
  • 求職者の視点で効果的な採用活動を行える

気を付けたいのが、採用ペルソナの定期的な見直しです。
採用ペルソナに基づいての採用活動に成果が出ていない場合、ペルソナ設定と自社の求人について乖離が生まれているかもしれません。
また、採用ペルソナを設定してから時間が経っている場合は、現在の採用方針と方向性が異なっている可能性もあります。

いずれの場合についても、採用ペルソナは定期的に見直すようにしましょう。

2.募集チャネルを考える

採用ペルソナの具体的な活用方法のひとつとして、ペルソナを元として「求職者がどの媒体から求人情報を取得するのか」を考え、適切な求人媒体を選択する方法があります。

たとえば、求める人材像として以下のようなペルソナを設定したとします。

基本情報42歳 男性 会社員 年収800万円 共働きの妻と子供2人の4人家族
背景育児と家庭の両立のため転職を検討している
これまでの経験を活かした職種に就きたい
行動パターン平日9時~18時まで勤務、残業は月に40時間程度、土日祝日は休日、通勤時間は片道約1時間
月に一回程度家族で近場のレジャーに出かける

この求職者が、いつどこでどんな風に転職活動をするのか、考えてみましょう。
生活パターンを考えると、家でゆっくり転職活動ができる時間は取れず、主にスマートフォンを使用して通勤時間の合間を縫って活動するものと考えられます。

そうなると、主にウェブを中心とし、スマートフォン利用を想定した求人情報の発信が必要であることがわかります。

上記以外にも、以下のような流入経路例があります。検討してみてはいかがでしょうか。

自社のホームページ自社のコーポレートサイトに求人情報を掲載、採用専用サイトを制作するなどして求人応募を受け付ける。
求人検索エンジンインターネット上の求人情報を集約した、求人情報に特化した検索エンジン。別途料金を支払い、露出を増やせる場合も。
ハローワークどの企業でも気軽に利用できる。求人情報はハローワークで直接紹介されるだけでなく、ハローワークインターネットサービスを通してWeb上にも掲載。
リファラル採用インセンティブなどを設け自社社員から友人や知人を紹介してもらい採用活動を行う。
縁故採用と異なり内定を前提としないため基準に満たなければ採用を見送ることも。
求人広告(Web、紙媒体)掲載料金を支払い求人広告に出稿する。成功報酬型や一部無料の場合も。採用ターゲットが利用する媒体かの見極めが必要。
SNS採用SNSを使って企業情報を発信し、採用サイトへの流入を図りダイレクトに採用活動を行う。
継続的な運用が必要なため、担当者の負担や社内コストが発生する。

3.採用動画とは

採用動画とは、求職者に対して会社の魅力を伝えるために制作する動画のことです。

3-1.採用動画は志望度をアップさせる効果が

採用動画について、新卒、転職経験者それぞれへの調査では、以下のような結果になっています。

  • 仕事選びの際に試聴したい採用動画の内容は、就活生「会社説明会・事業説明」転職経験者「1日のスケジュール」だった
  • 採用動画は「かっこよさ」よりも「身近さ」の方が志望度は高まると回答
  • 転職経験者の7割以上が、採用動画によって「選考エントリーのきっかけ」になったと回答

アンケート結果を見ると、転職経験者の方が、実際に自分がその会社でどう働くかをイメージするために動画を見ていることがわかります。

またそれぞれの求職者が採用動画を視聴したことのあるメディアは

  • 23卒の就活生:「YouTube」が57.3%、「採用HP」が32.7%
  • 転職経験者:「YouTube」が45.9%、「X(Twitter)」が36.9%

という回答でした。

両方においてYouTubeが最も身近なメディアであることがわかります。
動画は自社ホームページだけでなく、YouTubeをはじめとする外部サービスにも掲載した方がよいことがわかります。

出典:moovy「採用担当者必見!採用動画のトレンド「かっこいいvs身近さ」どちらを好む?

3-2.採用動画のメリット

採用動画のメリットとしては、

  • 印象深い動画という手法による知名度の向上
  • 文字では伝えきれない情報を伝え企業のイメージアップが図れる
  • 実際に働く人を撮影することで企業への不安感の払拭
  • イメージが伝わりやすいためミスマッチの防止
  • 文字では伝えにくい情報をわかりやすく伝えられる
  • 会社説明動画を作成、会社説明会などで流すことにより担当者によらず説明のクオリティが均一化できる

ことなどが考えられます。

3-3.採用動画の種類

採用動画の種類としては、主に以下の4つが挙げられます。
どんな目的でどんな動画を作りたいのか、考えてみましょう。

企業説明動画会社の事業内容や理念など、その企業の基本情報を紹介し会社の基本的なことを理解してもらうための動画。
インタビュー動画社長や社員に質問をしてそれに回答をしてもらう形式で企業の情報や魅力を伝える。働く様子が見える動画にすることも可能。
会社紹介・オフィス紹介動画会社の環境や職場環境を紹介し、会社を理解してもらうための動画。社員が働く姿も伝えられるためより理解が深まる。
コンセプト動画会社の取り組みやイメージを伝えるためユニークな企画に特化した独自性ある動画。難易度は高い。

4.まとめ:採用市場の将来予測と企業がとるべきアクション

これまでさまざま採用手法についてご紹介してまいりました。
では今後、採用市場はどうなっていき、企業はどのようなアクションを取るべきなのでしょうか。

採用市場は少子高齢化による労働力不足の影響で、引き続き企業の採用活動は活発化、今後も「売り手市場」の採用競争は激化していくものと考えられます。

人材の確保のためにも、企業がとるべきアクションとしては以下のようなものが考えられます。

  • 競合他社と比較した雇用条件の見直し
  • 働きやすい環境の整備
  • 社員のスキルアップの支援
  • 採用手法の見直し
  • 採用ターゲットの変更
出典:doda「転職市場予測2024下半期【doda編集長とキャリアアドバイザーが動向を解説】

もし採用活動がうまくいかない時は、上記のようなアクションも検討する必要があるのかもしれません。

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