DX(デジタルトランスフォーメーション)時代のWeb活用

コロナ禍を機にますます注目が高まっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
基本的な考え方から、一例としてのホームページの活用方法までご紹介いたします。

1.DXとは?

まずはDX(デジタルトランスフォーメーション)の定義を確認してみましょう。経済産業省による定義は下記のとおりです。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
参考:経済産業省「経済産業省 DX推進ガイドライン Ver. 1.0」

分かりやすく言い換えると、デジタルで変革を起こし、競合に打ち勝つことです。
単なるデジタル化に留まらず、デジタル技術を活用して優位性に結び付けることが重要なポイントです。

2.DXが推進されている理由

ではなぜ今デジタルトランスフォーメーションが国を挙げて推進されているのでしょうか?
その理由は大きく3つあります。

1.基幹システムの老朽化による損失の回避

日本には老朽化した基幹システムがDXの足かせになっている企業が数多く存在しています。

それらの企業が古いシステムを使い続けた場合、新しいデジタル技術への適応ができず市場の変化に対応できない、サイバー攻撃やシステム障害のリスクが高まるなどの理由から、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じると試算されています。

その損失を回避するためにも、DX実現に向けたシステムの刷新は不可欠です。

2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じると試算されています。

2.消費行動・ニーズの変化への対応

近年、情報収集、コミュニケーション、商品購入など一連の消費行動はスマホ中心になりました。

また、モノを所有する時代からシェアする時代へ、モノ消費からコト消費へというトレンドの変化も見られます。
ニーズが多様化する今、デジタル技術を活用してニーズを敏感にとらえ、戦略的に新たな付加価値を生み出していくことが求められています。

3.コロナ禍で加速した新しい生活様式への対応

新型コロナウイルスの影響で、テレワークやオンライン商談が急速に普及し、あらゆる分野のデジタル化が一気に進みました。
新しい働き方・生活様式が定着しつつある中、今こそ企業活動の在り方を見直し、適応に取り組むことが必要です。

新しい生活様式への対応

3.DXの推進が企業にもたらすメリット

DXの推進が企業にもたらすメリットは、業務の効率化だけに留まりません。
販売チャネルや顧客との接点をデジタル化することで新規顧客の開拓につながったり、データの活用によって新商品・サービスの開発にもつながったりします。
また、柔軟に対応できるシステム・体制を整備しておくことで、環境の変化や災害にもスピーディーに対応でき、人材募集の際の大きな訴求ポイントにもなります。
デジタル化によって業務やビジネスモデル、組織、働き方を変革し、競争上の優位性を確立することがDXの最終目的です。

優位性の確立

4.DXの推進ステップ

DXの実現までは下記3つのステップを踏む必要があります。

1.ツール・システムの導入
2.業務プロセス全体のデジタル化
3.データの集約・分析
多くの中小企業では、まずはデジタル化のためのツールやシステムの導入から始める必要があるでしょう。
例えば、コロナ禍で利用機会が大幅に増加したWeb会議やオンライン販売を行うためのシステム、財務・会計システム、勤怠管理システム、そしてホームページ構築・運用ツールなどがあります。
まずは個々のプロセスをデジタル化し、データを蓄積して活用できる土台を作ることが重要です。

データを蓄積して活用できる土台

5.DXの第一歩として企業に不可欠なホームページを見直してみましょう

DXは全社的に行う取り組みであり、デジタル化を進める業務プロセスは多岐にわたります。
「どこから手を付けて良いのか分からない」、そんな時はまず第一歩として、顧客との接点や販売チャネルであるホームページの見直しから始めてみることをお勧めします。
その理由は6つあります。
1.企業にとって必要不可欠
2.にも関わらず、活用できている中小企業は少ない
3.費用対効果が最も高い広告・広報活動である
4.運営方法の見直しにより、業務の効率化が期待できる
5.顧客の反応をダイレクトに得られる
6.データ収集・効果測定ができる
「今さらホームページ?」と思われるかもしれませんが、多くの中小企業では活用できていないのが現状です。
3,500名の経営者に行ったアンケート調査では、ホームページを活用できていると答えた割合は、わずか30%。導入すらしていない企業が半数以上存在しました。

アンケート調査では、ホームページを活用できていると答えた割合は、わずか30%。導入すらしていない企業が半数以上

出典:当社調べ

中小企業経営者に最も費用対効果が高い広告・広報活動をたずねると、第1位は圧倒的にホームページです。

活用できている割合は低いものの、中小企業にとっては重要な広報手段となっています。
問合せの増加や新規顧客の獲得など、直接的な効果に結び付いている企業が多く、活用次第で大きな効果を得られることが分かります。

6.ホームページを最大限活用する6つのポイント

ではホームページを最大限活用するにはどうすれば良いでしょうか?ここでは6つのポイントをご紹介します。

1.充実したコンテンツを用意する

最も重要なのはコンテンツです。

実際にページ数が多いホームページほどアクセス数が多い傾向にあり、10ページ以下のホームページと51ページ以上のホームページでは、月間平均PV(ページビュー)は約9倍もの開きが見られます。

2.定期的に更新して常に最新の状態にする

2つ目のポイントは、定期的に更新して常に最新の状態にすることです。
ホームページを多くの人に見てもらうには、公開後の更新が何より重要です。

1年以上更新されていないホームページと1週間以内に更新されたホームページを比較すると、月間平均PVは1週間以内に更新されたホームページの方が10倍も多い結果となりました。

3.SNSを活用する

ホームページを更新した際にタイムリーに情報を届けられたり、共有によってどんどん拡散されたりするのがSNSのメリットです。
ホームページへの入口を増やすことにもなり、アクセス増加も期待できます。

FacebookとTwitter両方と連携しているホームページは、どちらも利用していないホームページと比べて月間平均PVは約3倍多くなっています。

4.動画を活用する

動画は、短時間で自社や商品・サービスの魅力を伝えるのに最適なツールです。
雰囲気や人柄などテキストでは伝えづらいものを見える化できる利点もあり、閲覧者に対して訴求力を高める効果があります。
実際にメインビジュアルにオリジナル動画を掲載しているホームページは、動画を掲載していないホームページより、月間平均問合せ数は約4倍も多くなっています。

5.注文や申込、見積依頼を受け付ける

5つ目のポイントは注文や申込、見積依頼を受け付けることです。
ただ情報を発信するだけでなく、ホームページ上で閲覧者に行って欲しいアクションを明確にし、目的に特化したフォームを設置しましょう。
例えば、商品の注文や予約のリクエスト、セミナーの参加申し込み、見積もり依頼、求人への応募などが考えられます。目的ごとにフォームを用意しておくことで、閲覧者はアクションを起こしやすくなり、ホームページの効果も把握しやすくなります。

6.効果を検証して改善する

そして最後のポイントは、効果を検証して改善することです。
定期的に効果測定を行い、それを踏まえて改善策を立て、計画して実行する、このPDCAサイクルを回すことがホームページの効果を高めるうえで不可欠です。
例えば、アクセス解析で閲覧数の多いページから閲覧者の関心を把握し、関連情報を充実させるといった改善が行えます。
PDCAを習慣化し、長期的により良いホームページに育てていきましょう。

PDCAサイクル

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