企業のSNSの始め方~運用ステップ、準備、登録方法
スマートフォンが一般化した現代において高い利用率を誇るSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)。
人々の生活に浸透し、いまや購買行動にも大きな影響を与えるようになったSNSを企業活動にも活用したいとお考えの方は多いと思います。
でも具体的にどうしたらいいかわからない、という方に向けて、当記事では企業のSNS活用について
- 一般的なSNSの運用ステップ
- どのSNSを使うのか?
- 各SNSの登録方法
- 当ホームページシステムとの連携方法
について解説します。
なお、別の記事では下記のようなSNS解説記事もございますので、こちらも参考になさってください。
- SNSをビジネスで活用するメリット
- SNSをビジネスで活用するための検討すべき事項
- 代表的なSNSの特徴と企業事例
1.SNSの運用ステップ
まず、企業SNSを運用するまでには、どのような手順があるのでしょうか。
一般的にはおおむね下記のようなステップになります。
- SNSの目的とターゲットを決める
- 利用するSNSを決める
- KPI(目的を達するためどのくらい進捗しているか計るための数値)を決める
- 運用内容を決める
- 分析と改善を行う
ではひとつずつ見ていきましょう。
1-1.SNSの目的とターゲットを決める
まずは「何のためにSNSを使うのか」という目的を決めましょう。
求める成果・目的によって活用するSNSや手法が変わってきます。
逆に、目的を決めないままSNS運用を始めてしまうと、SNSの選定や投稿内容も決めにくく、効果も出づらいものになってしまいます。
フォロワー数やいいね数を増やすことを目的とするのではなく、最終的に達成したい目的や成果を明確にしておきましょう。
たとえば次のような目標が挙げられます。
- 自社や商品・サービスの認知度を高めたい
- 商品の購入を促進したい
- イベントやキャンペーンの集客を行いたい
- 採用活動のため求職者に情報発信したい
- 市場調査を行いたい
- ユーザーとコミュニケーションをとりたい
目標を決めたら、次にターゲットを決めます。
ターゲットとはつまり「誰に情報を届けたいのか?」です。
SNSはそれぞれ訴求できる情報の種類やユーザー層に特徴があります。
たとえば、30~40代の利用者層が多いFacebookと比較して、X(Twitter)のメインユーザー層は20代です。
また、写真や動画を使った訴求に特化したInstagramに比べ、TikTokは短い動画をメインとしたSNSになっています。
こういったSNSごとの特徴を鑑みて、一番自社がアプローチしたいユーザー層、訴求したい内容に適したSNSはどれか、を判断します。
目的とターゲットの選定はSNSを始める時だけではなく、SNSの運用・改善においても活用することで一貫性のある運用ができます。
しっかりと決めておきましょう。
1-2.利用するSNSを決める
目的とターゲットが決まったら、それらに合った運用ができるSNSを選定します。
選定においては、競合他社がどんなSNSをどのように活用しているのか調査するのも有効です。
たとえば、下記のような運用をしたい場合、選定するSNSの例です。
目的とターゲット:BtoBビジネスで新規顧客の獲得をしたい
⇒ 実名登録で勤務先や役職なども把握できるFacebook
目的とターゲット:ファッションやコスメなど視覚的な訴求力が必要
⇒ 写真や動画で訴求できターゲット層の20代利用者が多いInstagram
目的とターゲット:メルマガやクーポン等で実店舗へのリピートを促したい
⇒ メッセージの既読率が高くプッシュ表示でリアルタイム通知されるLINE
各SNSの特徴については後述の「2.どのSNSを運用するのか?」で詳しく解説します。
1-3.KPIを決める
KPIとは、「目的を達するためどのくらい進捗しているか計るための数値」のことです。
後で分析できるように、具体的な数値を設定しておく必要があります。
以下に例をご紹介します。
認知度向上が目的
- 月内でフォロワー数を100人増やす
- インプレッション数を500件獲得する
顧客エンゲージメント(※)向上が目的
- いいねの数を月間100件獲得する
- 商品・サービスに関するユーザー投稿を月間100件獲得する
※顧客エンゲージメント…企業や製品、サービス、ブランドなどが顧客と築いた深い関係性や結びつきのことを意味する。強いエンゲージメントを結んだ顧客は自ら好んで繰り返しその企業の製品やサービスを選択するため、顧客満足度を向上させたり積極的にコミュニケーションを取るなどしてエンゲージメントを強める必要があるとされる。出典:IT用語辞典 e-Words エンゲージメント(engagement)とは
売上向上が目的
- SNS経由での自社サイトへの流入数を500増やす
- クーポンの利用数を50件増やす
具体的な数値目標を決めておくことでそれが指標になり、目標達成までの進捗が管理しやすくなります。
1-4.運用内容を決める
実際にどのように運用するのか?どのようなポリシーで投稿するのか?
あらかじめ決めておくことで、運用の体制や担当者不在時のスムーズな対応など、検討しやすくなります。
主に決めておきたいことは、下記4点です。それぞれ考えてみましょう。
コンセプト・ルール | 投稿する内容の主題や考え方・ルールを決めることにより、投稿する内容や方向性をブレさせない |
投稿するコンテンツ | 動画、写真、文章 等 |
投稿する頻度 | 毎日、週に2~3回 等 |
内容 | 商品やサービスの紹介、お客様の声、製品の開発秘話や舞台裏紹介、お役立ち情報 等 |
その他「炎上した際の対策」等も決めておくとなお良いでしょう。
SNS運用は継続的に投稿し続ける必要がありますので、無理なく続けられるような運用内容にすることをおすすめします。
1-5.分析と改善を行う
SNSの運用を開始したら、一定期間運用をし、ユーザーの反応を分析します。
分析結果から運用の改善を、継続的に繰り返し行っていきます。
- 人気のある投稿と無い投稿の現状と要因を分析
- 投稿がいつ見られているのか時間帯や日にちを分析
- 投稿がどんなユーザーに見られているのか属性を分析
多くのSNSが、そのSNSにおける投稿の反応を分析するツールを同時に提供しています。
それら分析機能を使って現状を把握、運用について改善を行っていきましょう。
2.どのSNSを運用するのか?
目的とターゲットを決めたら、実際に運用するSNSを選定します。
どのSNSを選べばいいのか?一覧で各SNSの特徴をご紹介しますので、参考になさってください。
また、それぞれのSNSの詳しい解説や企業事例については、下記の記事でご紹介しております。併せてご覧ください。
3.SNSの登録方法
SNSの登録先については、下記に一覧を掲載します。
登録方法や料金プランなどは、各SNSサービスサイトをご確認ください。
3-1.LINE
LINEの企業アカウントは「LINE公式アカウント」です。
下記サイトの「LINE公式アカウントをはじめる」からご登録ください。
また、リンク先では資料のダウンロードや料金プランの確認もできます。
【公式】LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business
https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/
3-2.X(旧Twitter)
X(旧Twitter)のビジネス用アカウントは、個人用のアカウントと同じもので、LINEのようにビジネス専用アカウント作成という工程はありません。
個人用アカウントと同じ作成画面から登録となりますので、下記よりご登録ください。
X(旧Twitter)アカウント作成
https://twitter.com/i/flow/signup
また、Xではビジネス運用に関する情報も提供していますので参考になさってください。
ビジネスで利用するXプロフィールの作成
https://business.x.com/ja/basics/create-a-twitter-business-profile.html
3-3.Instagram
Instagramは企業・法人向けに「Instagramビジネスアカウント」を提供しています。
ビジネスアカウントは無料で使え、分析ツールや広告の配信など、個人用アカウントにはない機能も利用できます。
ビジネスアカウントの作成には、個人用アカウントをビジネスアカウントに切り替える必要があります。
まずInstagramアカウントを作成しましょう。
アプリをダウンロードして新しいアカウントを作成するか、下記からアカウントを作成します。
Instagram
https://www.instagram.com/
アカウントを作成、またはすでにアカウントを持っていて切り替える場合は、下記を参考にしてビジネスアカウントを設定してください。
Instagramでビジネスアカウントを設定する方法
https://www.facebook.com/business/help/502981923235522?locale=ja_JP
また、Instagramの企業活用方法についてはサービス元であるMeta社が情報を提供しています。
下記をご参考ください。
Instagramでビジネスを始める
https://business.instagram.com/getting-started?locale=ja_JP
3-4.Facebook
Facebookはビジネス向けに「Facebookページ」が提供されており、無料で利用できます。
Facebookページは個人用のアカウントを持っていれば誰でも作成でき、個人アカウントを紐づければ複数人での管理が可能です。
まずは、アカウントをもっていない場合はFacebookの個人用アカウントを作成しましょう。
Facebook
https://ja-jp.facebook.com/
アカウントを作成、またはすでにアカウントを持っていたら、Facebookページを作成します。
下記を参考にFacebookページを作成ください。
Facebookビジネスページを設定する
https://ja-jp.facebook.com/business/help/1968057156746246?id=939256796236247
ビジネスのFacebookページを作成する
https://ja-jp.facebook.com/business/help/1968057156746246?id=939256796236247
3-5.YouTube
YouTubeには「ブランドアカウント」という名称のチャンネルアカウント作成機能がありますが、YouTube上の表示自体は一般アカウントと区別なく表示されます。
ブランドアカウントはGoogleアカウントを作成してYouTubeにログインする必要があります。
Googleアカウントを持っていなければまずはGoogleアカウントを作成しましょう。
Googleアカウントを作成した、またはすでにGoogleアカウントを持っている場合、YouTubeにログインします。
YouTubeで「新しいチャンネルを作成する」から新しくブランドアカウントを登録し、チャンネルを開設、企業チャンネルとしましょう。
詳しくは下記をご参照ください。
YouTubeヘルプ|YouTube チャンネルの作成|仕事などで使う名前でチャンネルを作成する
https://support.google.com/youtube/answer/1646861?hl=ja&ref_topic=9267674&sjid=3398930951152729952-AP
3-6.TikTok
TikTokでは個人用アカウントとは別に企業用の「ビジネスアカウント」が存在します。
ビジネスアカウントは個人アカウントを切り替えることで利用でき、切り替えは何度でも無料です。
まずTikTokでアカウントを持っていない場合は、下記を参考にアカウントを作成してください。
TikTok|アカウントの作成
https://support.tiktok.com/ja/getting-started/creating-an-account/creating-an-account
その後、プロフィールからビジネスアカウントに切り替えを行います。
詳しくは下記をご参照ください。
TikTok|TikTokの個人アカウントとビジネスアカウント|ビジネスアカウントへの切り替え方法
https://support.tiktok.com/ja/using-tiktok/growing-your-audience/switching-to-a-creator-or-business-account#2
4.ホームページとの連携
SNSとホームページはそれぞれ特徴と役割が異なります。
SNSは情報が常に流されていくため、過去の投稿が検索・拡散されることはほとんどありません。
比べてホームページは情報量が資産になるため、自社や商品・サービスを詳しく紹介、営業ツールとして活用できます。
また、ホームページがあることで信頼感や安心感を与えられるだけでなく、SNSと比較するとレイアウトやデザインのカスタマイズ性が高いのも特徴です。
よって、SNSではその拡散性を利用した認知度アップや、ユーザーとのコミュニケーションに活用します。
そしてホームページはインターネット上での集客の母体とし、最終的にはホームページに誘導するように、SNSは流入経路として利用しましょう。
このようにSNSとホームページを併用して活用することにより、相乗効果で集客力アップが期待できます。
SNSにはプロフィールや投稿にホームページへの誘導のためURLを記載し、ホームページにもSNSのプラグインや埋め込み機能などを使い、相互に流入を図りましょう。
当システムのホームページにおいては、バナー等を使ってリンクを掲載するだけでなく、Facebook Page PluginまたはX(旧Twitter)Widgetsを使用してコンテンツを掲載できます。
詳しくは下記をご参照ください。
参考:サポートサイト|コンテンツ編集 – コンテンツ追加|SNS